今熊野観音寺は、平安時代に 弘法大師空海 によって開かれたと伝わる真言宗泉涌寺派の寺院です。
西国三十三所観音霊場の第十五番札所として、多くの巡礼者が訪れます。
境内には豊かな自然が残り、頭痛封じやぼけ封じなどのご利益でも親しまれています。
目次
西国三十三所とは?
西国三十三所は、近畿地方を中心に33の観音霊場を巡礼する、日本で最も歴史ある巡礼の一つです。
各札所では観音菩薩が祀られており、観音様とのご縁を結びながら巡礼する信仰として千年以上受け継がれています。
参拝記
泉涌寺道をさらに登っていくと、今熊野観音寺があります。
坂道を歩いてきましたが、今熊野観音寺は谷あいにあるような地形で、最後に鳥居橋を渡って境内へ入ります。
山に包まれたような静かな雰囲気が、とても印象的でした。
この前に訪れた泉涌寺の塔頭「即成院・戒光寺」の記事はこちら ➡ 京都2月ひとり旅⑰即成院・戒光寺参拝記│泉涌寺の塔頭で出会う静寂と大仏さま
子護大師
最初に迎えてくださるのが「子護大師」。

子どもたちに囲まれた弘法大師のお姿は、とても存在感があります。
その周囲には四国八十八ヶ所霊場のお砂が敷かれており、お砂踏みをすることで四国遍路を巡拝したのと同じご利益がいただけるとされています。
西国三十三所とは別の巡礼ですが、このように四国霊場とのご縁も感じられるのが興味深いところです。
ありがたく一周させていただきました。
本堂へ
本堂には、ご本尊の十一面観音菩薩がお祀りされています。

ご本尊は秘仏のため普段は拝見できず、参拝者は「お前立(おまえだち)」にお参りします。
お前立とは、ご本尊の代わりとして前に安置される仏像のこと。
秘仏を守りながらも、参拝者が礼拝できるように置かれています。
今熊野観音は、後白河上皇の頭痛を治したという伝説から「頭痛封じ」で広く知られています。
授与所には頭痛封じの枕カバーもあり、とても珍しく印象に残りました。
さらに、ぼけ封じ観音や智慧授けの「五智水」のご利益も込められているそうです。
大師堂
続いて、弘法大師をお祀りする大師堂へ。
堂前には「ぼけ封じ観音」がおられ、私も静かに手を合わせました。

年齢に関係なく、いつまでも元気に過ごせるよう願う方が多いのでしょうね。
金龍弁財天
池のほとりには「金龍弁財天」があります。

金色の巳が祀られているそうで、金運や財運のご利益がありそうな雰囲気です。
今熊野西国霊場
境内を奥まで歩いていくと、山の斜面に沿って小さな祠に祀られた石仏が続いていることに気付きました。

何だろうと思って進んでみると「今熊野西国霊場」。
西国三十三所それぞれの御本尊を石仏としてお祀りしているそうです。
木々や竹林の間を進む小道はとても静かで、まるで山の中を巡礼しているような気分になります。
朱塗りの医聖堂までつづいています。
自然に包まれたこの場所は、境内の中でも特に神秘的に感じました。

アクセス・拝観情報
- 所在地:京都市東山区泉涌寺山内町32
- アクセス:市バス「泉涌寺道」より徒歩約15分
- 拝観時間:8:00~17:00
- 拝観料:境内無料
- 西国三十三所第十五番札所
一人旅の実用メモ
■ 日差し対策
まとめ
今熊野観音寺は、西国三十三所の札所でありながら、頭痛封じやぼけ封じなど、暮らしに寄り添ったご利益でも親しまれているお寺でした。
橋を渡って境内へ入り、山の静かな空気に包まれながら歩く時間はとても心地よく、境内のあちこちに見どころがあります。
西国霊場を巡る方はもちろん、泉涌寺周辺を散策する方にもおすすめしたい一寺です。
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