嵐山の観光エリアから少し奥、竹林を抜けた先に、
まるで時が止まったかのようにひっそりと佇むお寺があります。
それが「祇王寺(ぎおうじ)」。
かつて平清盛の愛を失い、出家した祇王と妹・母が暮らした尼寺。
冬の祇王寺には、雪と苔と竹の音が織りなす「静寂の祈り」があります。
人の気配の少ないこの季節、一人で訪れるからこそ味わえる“心の深呼吸”が待っています。
祇王寺の冬のみどころ
祇王寺の魅力は、何といっても苔庭の美しさと静けさ。
冬になると、庭一面を覆う緑の苔に霜が降り、
そこに差し込む淡い朝日が、まるで金の粉のように輝きます。
- 雪と苔のコントラスト 雪がうっすら積もる朝は、境内が一面の白と緑の世界に。 人の足音も吸い込まれるような静寂が広がり、 ただ佇むだけで、心がすうっと鎮まっていきます。
- 平家物語の余韻 祇王の悲しみと慈しみの物語が今も息づく祇王寺。 寒さの中に、静かに灯る祈りの温かさを感じます。

一人旅で感じる「癒し」と「祈り」
祇王寺は、一人で訪れるとその静けさが何倍にも増して感じられます。
観光地の賑わいから離れ、竹林を抜けた先にあるその場所は、
まるで“心を休めるための避難所”のよう。
茅葺きの庵の縁側に腰を下ろし、
しばらく目を閉じると――風の音と鳥の声だけが聞こえてきます。
「過去にすがらず、未来を案じず、ただいまここに在る」
そんな禅の言葉が自然に浮かぶような、時間の流れ。
祇王たちが生きた時代の哀しみも、
この静かな苔庭の中ではすべて“癒し”へと変わっていくのです。
『平家物語』や『源平盛衰記』によれば、白拍子の祇王(21歳)は平清盛の寵愛を受けていた。そこに、若い仏御前(17歳)が現れてその座を奪われてしまい清盛の邸を追われた祇王は、妹の祇女(19歳)、母の刀自(45歳)とともに尼となった。それが嵯峨の奥にあった往生院に建てられていた庵であるという。この後に“いつか我が身も同じ運命”と悟った仏御前が旧怨を捨てた祇王母子に加わり、4人で念仏三昧の余生をこの地にて送ったという話が記載されている。(Wikipediaより)
祇王寺の拝観情報
- 拝観時間:9:00〜16:30(受付終了)
- 拝観料:300円
- 所在地:京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32
アクセス情報
- JR嵯峨嵐山駅から徒歩約25分
- 嵐電「嵐山駅」から徒歩約25分
- 市バス「嵯峨小学校前」または「嵯峨釈迦堂前」下車 徒歩約15分
※嵯峨野の竹林を抜ける散歩道を通るのがおすすめ。
途中の常寂光寺や二尊院をゆっくり巡ると、冬の嵯峨野の風情を満喫できます。
穴場スポットと合わせて楽しむ(近隣の寺社など)
- 常寂光寺:雪をかぶる多宝塔が幻想的。静寂を求める一人旅に最適。
👉 関連記事→常寂光寺の冬|静寂に包まれる嵯峨野。雪の多宝塔で心を鎮める一人旅
→常寂光寺|石段を覆う紅葉トンネルと静寂に包まれる嵯峨野の名所
- 二尊院:冬の落ち葉道“紅葉の馬場”も人が少なく、しっとりと美しい。
👉 関連記事→二尊院の紅葉|嵐山で「紅葉の馬場」を歩く贅沢な時間
- 落柿舎:芭蕉の弟子・去来の草庵。冬の嵯峨野の侘びの象徴。
一人旅の実用メモ
冬の祇王寺は山あいにあるため、寒さ対策がポイントです。
- マフラー
- スマホ対応手袋
- おすすめガイドブック
→こちらのガイドブックを長年愛用しています。観光地ごとの見やすい地図、ルート、お目当て以外にもちょっと立ち寄れる見どころがまとまっていて大変便利です!
沢山歩いて色んなところを観光したい方は是非。
宿泊は、嵐山・嵯峨野エリアが便利です。
嵯峨野・嵐山の紅葉完全ガイド|アクセス・見どころ・一人旅におすすめの過ごし方
祇王寺のまとめ
冬の祇王寺は、心を「鎮める」ための場所。
雪と苔、竹の音、そして祇王の物語――
どれもが、現代を生きる私たちの心に静かな癒しをもたらしてくれます。
一人旅だからこそ、自分のペースで歩き、感じ、祈ることができる。
祇王寺で過ごす冬のひとときは、きっとあなたに“やさしい静けさ”を教えてくれるでしょう。
合わせてこちらもご覧ください【完全ガイド】癒しの冬の京都まとめ|おすすめ寺社・雪景色・行事を楽しむ
👇
→冬の京都駅周辺ホテルガイド|寒さも疲れも癒す“安心ステイ”5選
→冬の静寂に包まれる京都・洛西めぐり|妙心寺・龍安寺・仁和寺エリアで感じる一人旅の癒し
【新幹線+ホテルでお得なツアーもありますよ!】
➡JTBでツアーを探す

