嵯峨野の紅葉名所といえば常寂光寺や二尊院が有名ですが、そのすぐ近くにひっそりと佇む小さな寺院「滝口寺」をご存じでしょうか。平家物語にも登場する悲恋の舞台であり、境内はこぢんまりとしていながらも、苔むす石段や紅葉が静かな秋を彩ります。人混みに疲れた時、ふと立ち寄ると心が落ち着くような、不思議な魅力のあるお寺です。
目次
1. 滝口寺の紅葉のみどころ・見頃
境内は大規模ではありませんが、その分、紅葉を間近に感じられます。苔庭に落ちる紅葉のじゅうたん、山門から続く石段に舞い散るもみじなど、素朴でありながら絵になる風景が広がります。
紅葉の見頃は 11月中旬から下旬。嵯峨野全体が鮮やかに染まる時期と重なるので、周辺の散策と合わせて訪れるのがおすすめです。

2. 混雑を避けるコツ
嵐山エリアは紅葉シーズンに大変混雑しますが、滝口寺は観光ガイドで大きく取り上げられることが少なく、人が少なめです。
特におすすめは 午前中の早い時間。観光バスが動き出す前に訪れると、紅葉と苔の静けさを独り占めできます。
3. 一人旅で感じる「癒し」と「祈り」
境内は静謐で、木々のざわめきや鳥の声だけが響きます。
この滝口寺は二つの悲恋で知られています。
斎藤時頼という武士が侍女の「横笛」と恋仲になるも親に反対され、往生院(のちの滝口寺)に出家し滝口入道となりました。横笛は往生院へたどり着きますが、滝口入道に会ってもらえず、指を切った血で石に歌を書きました。横笛も出家し、まもなく亡くなったそうです。
二人の木像と、横笛が歌を書いた石が残っています。
もう一つは、足利尊氏との戦いで討ち死にした新田義貞はさらし首にされてしまいますが、妻の勾当内侍が首を盗み出し、出家しこの地で弔ったと言われているものです。首塚が境内にあります。
一人で訪れると、紅葉の美しさとともに「儚さ」「祈り」といった感覚が自然と心に広がります。小さな本堂に座ってお庭をゆっくり眺めれば、観光というより「心を整える時間」に近い体験ができる場所です。
4. 滝口寺の拝観情報
- 拝観時間:9:00〜17:00
- 拝観料:300円
小規模ながら丁寧に手入れされた境内で、紅葉の美をしっかり味わえます。
5. アクセス情報
- 所在地:京都市右京区嵯峨亀山町10-4
- アクセス:
- JR嵯峨嵐山駅から徒歩約25分
- 嵐電嵐山駅から徒歩25分
- 京都駅から市バス28系統に乗車「嵯峨小学校前」下車 徒歩17分
- 嵐山の中心部(渡月橋)からも徒歩圏内
紅葉散策ルートの途中に組み込みやすい立地です。
👉 京都駅前に泊れば、朝から移動がスムーズです。
→「秋の京都ひとり旅ガイド|紅葉と静けさを楽しむビジネスホテルステイ」
→京都駅に泊まって楽しむ秋旅|東寺のライトアップと大原の紅葉
👉阪急沿線に泊れば、京都駅の混雑に巻き込まれず嵐山へ出られます。
→阪急沿線に泊まろう|京都観光と嵐山アクセスに便利なホテル3選
6. 穴場スポットと合わせて楽しむ
滝口寺から徒歩圏内には、紅葉名所が点在しています。
- 祇王寺:苔と紅葉のコントラストが美しい小さな寺院
- 二尊院:参道「紅葉の馬場」が有名
- 常寂光寺:高台からの見晴らしと紅葉が絶景
→常寂光寺|石段を覆う紅葉トンネルと静寂に包まれる嵯峨野の名所
紅葉の名所を巡りながら、あえて小さな滝口寺に立ち寄ると、静かな余韻を感じられます。
【詳しくはこちらをご覧ください】嵯峨野・嵐山の紅葉完全ガイド|アクセス・見どころ・一人旅におすすめの過ごし方
7. 一人旅の実用メモ
滝口寺は人が少なく、静かに紅葉を撮影できる穴場。そんな時に役立つのが:
- 軽量ミラーレスカメラ(歩きながらでも負担が少ない)
- 歩きやすいスニーカーやリュック
- おすすめのガイドブック→こちらのガイドブックを長年愛用しています。観光地ごとの見やすい地図、ルート、お目当て以外にもちょっと立ち寄れる見どころがまとまっていて大変便利です!
沢山歩いて色んなところを観光したい方は是非。
紅葉散策は1日中歩くことが多いので、コンパクトで疲れにくい装備を整えておくと安心です。
8. 滝口寺のまとめ
滝口寺は、派手さはないけれど、静けさの中で紅葉を心から味わえる場所です。華やかな嵐山の喧騒を少し離れ、一人旅ならではの「癒し」と「祈り」を感じられるでしょう。紅葉シーズンに嵯峨野を訪れるなら、ぜひ足を延ばしてみてください。
【合わせてこちらもお読みください!】→【完全ガイド】京都の紅葉で癒される旅|神社・お寺・一人旅おすすめスポット
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