2026年1月期NHKプレミアムドラマ「京都人の密かな愉しみ Rouge −継承−」。
今回は続く第6話「後継の資格」、第7話「幕の引き方」の舞台を、ドラマのあらすじとともに振り返ります。
前回までの記事はこちら➡ 「京都人の密かな愉しみ Rouge-継承-第1・2話ロケ地巡り」8年後の再会 京都人の密かな愉しみ Rouge −継承− 第3・4話ロケ地巡り|洛中洛外と西陣の記憶をたどる 京都人の密かな愉しみ Rouge −継承− 第5話ストーリーとロケ地巡り|中秋の名月と“はんなり”の正体
全シリーズの詳しくはこちら➡ 『京都人の密かな愉しみ』とは ― 美しい映像と音楽、季節をめぐる祈りと暮らし。その全体像をじっくり解説 ―
目次
第6話「後継の資格」あらすじ
京都人の密かな愉しみ Rouge −継承−第6話では、
それぞれの家業の「継承」が現実の問題として大きく動き始めます。
京都老舗和菓子屋である久楽屋の女将・鶴子(銀粉蝶さん)が突然倒れ、洛(穂志もえかさん)はただ立ち尽くすことしかできません。
往診に来た医師からは過労と言われますが、鶴子は「後の名月」が終わったら癌の手術を受けるつもりで、まだ病気の本当のことは三八子(常盤貴子さん)には伝えていません。
しかし鶴子は、自分の病気と店の未来をきちんと話さなければならないと覚悟しています。
一方、京都の名庭師である
美山清兵衛(石橋蓮司さん)が、弟子たちを一堂に集めます。
誰もが予想した通り、それは後継者発表の場でした。
庭師の世界は商家とは違い、血縁ではなく才能ある者が継ぐ世界。
そして棟梁が指名したのは――
若林ケント幸太郎(林遣都さん)。
イギリスで造園技術を学びながらも京都に戻ってきた幸太郎に、美山清兵衛の名跡を継いでほしいと告げられます。
二人きりになった棟梁は語ります。
「弟子にした時から目をつけていた」
幸太郎は自分が一番怒られていたと思っていましたが、それは期待の裏返しでした。
「ここから、教えていない事を残らず伝えたい。贈り物や。」
幸太郎が主役の第2シリーズについてはこちら➡ 『京都人の密かな愉しみ Blue 修業中』とは?全5話あらすじと登場人物シリーズ完全まとめ
一方、久楽屋では三八子が弟で弁護士の堂辻悟(深水元基さん)を訪ねます。
実は彼は三八子の腹違いの弟で、かつて雲水として修行していました。
三八子は過去を振り返ります。
不倫になる三上(石丸幹二さん)との関係を家に反対され、別れさせられたこと。
好きな人と一緒になりたいという自分のエゴで、弟に久楽屋を継いでもらおうとしていたこと。
そして今、久楽屋の女将・鶴子は自分の代で暖簾をおそる覚悟を持っているのではないかと話します。
三八子と弟の継承をめぐる第1シリーズのストーリーはこちらにまとめてあります➡ 「京都人の密かな愉しみ Rouge-継承-第1・2話ストーリーとロケ地巡り」8年後の再会
「久楽屋を助けてほしい」と頼む三八子。
物語の終盤では、くろ谷金戒光明寺で棟梁と東雲先生が語り合います。
そこで明かされたのは、棟梁が会津生まれであるという事実。
「京都の名跡を京都の人間に返すことができた」と静かに語る棟梁の言葉に、長い時間の重みが感じられる場面でした。
第6話ロケ地
● くろ谷金戒光明寺
くろ谷金戒光明寺

京都東山にある浄土宗の大本山。
正式名称は金戒光明寺ですが、京都では「くろ谷さん」と親しまれています。
幕末には会津藩の本陣となった寺でもあり、
会津出身だった棟梁の背景と重なる意味深いロケ地でした。
● エンディング:伏見稲荷大社 火焚祭
伏見稲荷大社

11月に行われる火焚祭は、五穀豊穣と家内安全を祈る神事。
境内で焚き上げられる火は、京都の秋の終わりを感じさせる風景です。
第7話「幕の引き方」あらすじ
第7話では「継ぐこと」と同時に、
店を畳むという選択も描かれます。
洛は、義祖母である久楽屋八代目・沢藤鶴子に誘われ、
老舗和菓子屋・亀祥庵を訪れます。
店主の津和佐知子(伊勢佳世さん)は、夫を亡くして十年以上。
ついに店を畳む決断をしたと、鶴子に頭を下げ詫びます。
鶴子は洛に「店は始めるより、畳む時の方が難しい」と語ります。
絡は密かに、鶴子店を畳む苦しみは味合わせたくないと決意を固めます。
一方、三八子は弟の弁護士・堂辻悟と久楽屋の職人頭しげさん(いわすとおるさん)を交えて、久楽屋の未来を話し合います。
しげさんは自分や息子が継ぐことや、暖簾分けを受けることを断ります。
すると堂辻は、雇われ社長ではどうかと新しい提案をします。
沢藤家はオーナーとして残り、女将は会長となる。
一方、
松陰鋭二(毎熊克哉さん)が
Bar Forest Downを訪れ、幸太郎と三年ぶりに再会。
葉菜(趣里さん)との間に生まれた子供の写真を見せながら、近況を語り合います。
甚(矢本悠馬さん)は東京の萩坂で成功し、ミシュランにも掲載された様子。
幸太郎は恋人の釉子(吉岡里帆さん)とは再び別れてしまっていました。
その夜、幸太郎はイギリスにいる釉子へ電話します。
美山清兵衛の後継者に指名されたことを伝えると、
釉子から思いがけない言葉が返ってきます。
イギリス人の恋人デイビッド(村雨辰剛さん)と結婚するつもりで、
さらに妊娠している――。
呆然とする幸太郎。
一方、洛の大学院仲間で老舗呉服問屋の跡取り息子
伊月は、家業を継ぐ決断を先延ばしにするためパリ留学を考え始めます。
それぞれの「継承」と「人生」が交錯する回でした。
第7話ロケ地
● エンディング:毘沙門堂門跡
毘沙門堂門跡

山科にある天台宗の寺院。
紅葉の名所として知られ、参道の石段を埋め尽くす紅葉は圧巻です。
エンディングのもみじ祭では、京都の晩秋の美しさが印象的に描かれていました。
毎年12月14日には山科義士まつりが開催され、四十七士の義士たちが毘沙門堂から出発し
大石内蔵助を祀る大石神社まで練り歩きます。
討ち入りまで山科に隠棲していた赤穂義士にちなんだお祭りです。
御菓子司 塩芳軒
閉業することになってしまった「亀祥庵」のロケ地は塩芳軒さん。
喫茶KANO
帰り道に鶴子と洛が寄る喫茶店、KANO。清水五条の駅近く。
会津藩と金戒光明寺(くろ谷)の関係
金戒光明寺は幕末の京都を語る上でとても重要な場所です。
1862年、江戸幕府は京都の治安を守るために「京都守護職」という役職を設けました。
この重い役目を任されたのが、会津藩主の松平容保でした。
会津藩は京都に兵を送り、その本陣を置いたのが金戒光明寺です。
この寺は当時、広い境内と要害の地形を持っていたため、武士が駐屯する拠点として適していました。
幕末に京都を守った会津藩と、その本陣だった金戒光明寺。
京都と棟梁の出身地・会津の深い縁を感じさせるロケ地でした。
東雲教授(渡辺謙さん)はここで棟梁から
「そっちの継承はうまいこといってるんか?」
と尋ねられていますが、何の継承なのでしょうか。まだ謎ですね。
「カミさんはIQは高いんですが、発酵学は苦手」と答えています。突然東雲教授の「カミさん」が登場しました。
7話で「ヒースロー先生(団時朗さん)は何してはる?」「ふら~っと出ていった」
「エミリーさん(シャーロット・ケイト・フォックスさん)は電撃結婚しはった」という会話が鶴子・三八子でされていますが
電撃結婚って、もしかして東雲教授となの?と一瞬思ってみたり。
エミリーさん頭いいですもんね、IQ高そう。
エミリーさんもまた登場してくれたらうれしいな。
作品をもう一度味わいたい方へ
【京都人の密かな愉しみ】
【京都人の密かな愉しみ Blue 修業中】
阿部海太郎さん【Cahier de musique 音楽手帖】
音楽を担当されている阿部海太郎さんのアルバム。「京都人の密かな愉しみ」から「沢藤三八子」「京都、第一景」「京都、第二景」「京都、第三景」「エドワード・ヒースロー」「京都、第四景」そしてエンディングテーマ・武田カオリさんが歌う「京都慕情」が収録されています。
阿部海太郎さん 【ピアノ撰集-ピアノは静かに、水平線を見つめている- 】
阿部海太郎さんのピアノ楽譜集で「京都人の密かな愉しみ」から「エドワード・ヒースロー」と「ミヤコ・サワフジ(沢藤三八子)」が収録されています。
大原千鶴さん【大原千鶴のいつくしみ料理帖】
大原さんのお料理コーナー、松尾アナウンサーと楽しくお話しされながらささっと作られていて本当に大好きです。
まとめ
第6話・第7話では、「継承」とは単に受け継ぐことではなく、
終わらせる決断や、新しい形へ変える勇気も含まれている。
そしてそれぞれの覚悟も感じられる動きが沢山ありました。
絡の継承から始まったドラマが、幸太郎たち第2シリーズの面々の継承、東雲教授の何かの継承と広がっていきます。
京都の四季とともに続いてきた物語が、どのような結末を迎えるのか注目です。

