目次
中秋の名月と「まことの花」
第五話「まことの花」は、中秋の名月から後の名月へと続く季節の移ろいの中で、
京都人が大切にしてきた“美意識”と“生き方”が静かに描かれる回でした。
月を見ること、旬のものを食べること、そして「はんなり」という言葉の奥にある精神性。
派手な出来事は少ないけれど、胸の奥にじんわり残る——そんな一話です。
前回までの記事はこちら➡ 「京都人の密かな愉しみ Rouge-継承-第1・2話ロケ地巡り」8年後の再会 京都人の密かな愉しみ Rouge −継承− 第3・4話ロケ地巡り|洛中洛外と西陣の記憶をたどる
全シリーズの詳しくはこちら➡ 『京都人の密かな愉しみ』とは ― 美しい映像と音楽、季節をめぐる祈りと暮らし。その全体像をじっくり解説 ―
第五話「まことの花」ストーリーまとめ
物語の時期は中秋の名月。
中秋の名月と一か月後の後の名月には月見団子を食べる風習があり、和菓子屋は一年でも特に忙しい時期を迎えます。
主人公・洛(穂志もえかさん)は、義母の三八子(常盤貴子さん)から着物の着付け、茶道や書道のお稽古を受ける日々。
慣れない作法に戸惑いながらも、京都の暮らしの中へと少しずつ溶け込んでいきます。
女将・鶴子(銀粉蝶さん)は、追加注文の和菓子を携えて鹿ケ谷の霊鑑寺へ。
なんとか中秋の名月に間に合い、胸をなでおろします。
この回では、月見の風習についても丁寧に描かれます。
- 中秋の名月は「芋名月」 → 里芋を食べる
- 後の名月は「栗名月」 → 栗を食べる
いずれも収穫期を迎える旬の食材で、自然の恵みに感謝する意味が込められています。
三八子が里芋を煮る台所の風景が、とても印象的でした。
後の名月こそ大切にする、という教え
久楽屋春信の烏丸店では、中秋の名月の繁忙期を乗り切った従業員たちを前に、
女将・鶴子がねぎらいの言葉をかけます。
後の名月は日本独自の風習であり、「片見月(中秋だけを見る)」は縁起が悪いため
後の名月まできちんと勤め上げる決意をする鶴子ですが、
手術をそれだけ先延ばしするという事になります。
洛は鶴子の病のことを知ってしまったがゆえに、その体調を案じずにはいられません。
三八子だけがまだ何も知らない——この静かな緊張感が胸に残ります。
「はんなり」と「まことの花」
物語の中盤、「後の名月ははんなりしている」という言葉をきっかけに、
洛は「はんなり」という言葉について調べ始めます。
たどり着いたのが、世阿弥の説いた「花」の概念。
「花なり」が縮まって「はんなり」になったそうです。
- 自分の花 若さや容姿による、一時的な魅力
- まことの花 芸そのものがにじみ出す 円熟した気品・優雅さ・精神性
努力を重ねた末にたどり着く境地こそが「まことの花」。
この考え方が、「はんなり」という言葉の奥に流れている——
そして「はんなり」にぴったりな女性が女将・鶴子と義母・三八子であると思い浮かべるのでした。
Bar Forest Downでの再会と、衝撃の展開
洛が東雲教授(渡辺謙さん)、柊子(森田想さん)とともに訪れたBar Forest Down。
そこへ現れたのは、「Blue 修業中」でイギリスへ留学していた
若林ケント幸太郎(林遣都さん)。
「京都へ戻ろうかな」
そして親子の会話から釉子(吉岡里帆さん)と別れてしまったことが明かされます。
思わぬ再登場と展開に、思わず声が出てしまった方も多いのではないでしょうか。
あんなに苦労して第2シリーズの最後にやっと結ばれたのに?!
そして物語の終盤、
亡き夫の仏前で「二十年頑張った」と語っていた鶴子が倒れてしまいます。
第五話のロケ地
■ 鹿ケ谷 霊鑑寺
鶴子が和菓子を届けた尼門跡寺院。
通常は非公開のお寺ですが、春の椿の季節に特別公開があります。
今年の特別公開は➡ 2026年3月20日(金・祝)~4月12日(日)

くわしくはこちら ➡春の霊鑑寺|椿が彩る春だけの特別公開
哲学の道を辿りながら行かれるのをおすすめします! ➡京都12月ひとり旅⑤ 法然院(安楽寺・霊鑑寺)参拝記│哲学の道散策
■ 久楽屋春信 烏丸店
(ロケ地:俵屋吉富 烏丸店)
鶴子が従業員たちをねぎらう場面で登場。
「大きな烏丸通に面して、観光客向けの店舗」と第二話で紹介されていましたね。
(本店は室町通りに面して、地元客向け)
京菓子資料館が併設されています。(入館料に呈茶を含む)
一階にて、お菓子とお抹茶をいただけるそうです。
お菓子はその日作られた生菓子(3~4種類)か「雲龍」の中から選べます。
■ Bar Forest Down
外観ロケ地:Cafe mole
Blue 修業中との世界線が交差する、重要な場所です。
■ 由岐神社
今回のエンディングで流れるのは毎年10月22日に行われる例祭「鞍馬の火祭」。
由岐神社は鞍馬山に鎮座し、霊験あらたかな場所にある神社です。
■ 銅駝會館の名水
東雲教授がお茶用のお水を汲みに来ていた場所。
第1シリーズでヒースロー先生(団時朗さん)が「京都人の密かな愉しみ 夏」の中のオムニバスドラマ「木屋町 珈琲夢譚」にて、眞島秀和さん演じる喫茶店の店主が名水をくみにくるシーンで飲まれていましたね。
京都には沢山名水がありますが、寺社の中にある名水と違って、ここなら時間を気にせず汲みに来れるという事でした。
防災用の地下水ですが、皆様へ平時での利用を歓迎されていて
ご利用に際しては協力金をお願いします、との事です。
次回予告と今後の展開
次回予告では、
- 三八子の腹違いの弟・清哲(深水元基さん)の再登場
せっかく洛志社大学で学び、弁護士になったのに出家していた清哲さんが、スーツ姿で弁護士バッチらしきものをつけていましたね!
- 庭師・美山清兵衛(石橋蓮司さん)
幸太郎の師匠、こちらでも後継ぎ問題が起こるようです。
- 様々な後継問題が本格的に動き出す気配
「京都人の密かな愉しみ Rouge‐継承‐」出演者発表第3弾!が発表され、
幸太郎をはじめ、宮坂釉子、松陰鋭二(毎熊克哉さん)、料亭の女将・萩坂唯子(高岡早紀さん)「Blue 修業中」のキャラクターたちと「京都人の密かな愉しみ」の物語が、いよいよ本格的に交わっていくことが示唆されました。
新しい登場人物として幸太郎の先輩庭師・佐藤静六(木村祐一さん)、『伊づ譽』夫人・伊月嘉譽子(名取裕子さん)
どちらも京都人らしい強烈なクセを隠してそうですね。
第六話「後継の資格」は
3月1日(日)夜10:00~放送予定。
オリンピックのためしばらくお休みとなります。待ち遠しい三週間になりそうです。
前回までの記事はこちら➡ 「京都人の密かな愉しみ Rouge-継承-第1・2話ロケ地巡り」8年後の再会 京都人の密かな愉しみ Rouge −継承− 第3・4話ロケ地巡り|洛中洛外と西陣の記憶をたどる
作品をもう一度味わいたい方へ
【京都人の密かな愉しみ】
【京都人の密かな愉しみ Blue 修業中】
阿部海太郎さん【Cahier de musique 音楽手帖】
音楽を担当されている阿部海太郎さんのアルバム。「京都人の密かな愉しみ」から「沢藤三八子」「京都、第一景」「京都、第二景」「京都、第三景」「エドワード・ヒースロー」「京都、第四景」そしてエンディングテーマ・武田カオリさんが歌う「京都慕情」が収録されています。
阿部海太郎さん 【ピアノ撰集-ピアノは静かに、水平線を見つめている- 】
阿部海太郎さんのピアノ楽譜集で「京都人の密かな愉しみ」から「エドワード・ヒースロー」と「ミヤコ・サワフジ(沢藤三八子)」が収録されています。
大原千鶴さん【大原千鶴のいつくしみ料理帖】
大原さんのお料理コーナー、松尾アナウンサーと楽しくお話しされながらささっと作られていて本当に大好きです。
【Rouge -継承-】ではお料理コーナーがないようで残念ですが、料理監修として大原さんのお名前がありましたね!
素材をいかして滋養にあふれたこちらのお料理、どれも作ってみたくなります。

