京都人の密かな愉しみ第2シーズン「Blue修業中」のPart5『門出の桜』(2022年放送)。
それぞれが「卒業」を迎える春。
けれど京都の職人たちにとって、卒業は終わりではなく――船出。
桜が咲く頃、弟子は師のもとを離れ、若者は都を出て、
そして恋は、距離を越えて試される。
Part5「門出の桜」は、
五人それぞれの“覚悟”が描かれる最終章です。
全シリーズについて詳しくはこちら➡『京都人の密かな愉しみ』とは ― 美しい映像と音楽、季節をめぐる祈りと暮らし。その全体像をじっくり解説 ―
第2シリーズのまとめはこちら➡ 『京都人の密かな愉しみ Blue 修業中』とは?全5話あらすじと登場人物シリーズ完全まとめ
◆ あらすじ
■ 桜問答 ― 幸太郎の卒業
幸太郎(林遣都さん)の師匠・美山清兵衛(石橋蓮司さん)は秋に突然倒れた。
前回「燃える秋」の詳しくはこちら➡ 『京都人の密かな愉しみ Blue修業中』「燃える秋」あらすじとロケ地まとめ
回復はしたが、後遺症で左足が悪くなってしまった。
棟梁の自宅に一人よばれ作業しながら、桜の枝打ちについて話をする幸太郎。
――棟梁との“桜問答”。
最後に打った枝は、葉菜たちの結婚祝いのはなむけに持って行けと、棟梁。
そして後日、ついに告げられる。
「一通り教えた。もう来んでええ」
それは破門ではなく、卒業。
「違う師匠について、外から自分の仕事を見直せ。
弟子の船出の潮時をはかるのが、師匠の最後の仕事。」
幸太郎は決意する。
実の父がガーデナーをしているイギリスへ、庭師修行に。
■ 鋭二 ― 畑仕事に卒業はない
鋭二(毎熊克哉さん)にはもう師匠がいない。
みんなのように卒業試験はない。
タエ(江波杏子さん)は天国から自分の残した畑で、京野菜を作っているかチェックしているはず。
■ 葉菜の卒業試験
鋭二と葉菜(趣里さん)は北野天満宮で結婚式を挙げた。父は号泣。
式の後に、父は娘が焼いたパン・ド・カンパーニュを食べながらまた号泣。
「おおきに 娘に進むべき道を教えてくれて」と師匠(甲本雅裕さん)に感謝を伝える。
大原で始まった二人の新婚生活。
農家を手伝いながら、石窯でパンを焼く葉菜。
玉井パンの卒業試験は「食パン」。
これまで店では焼かせてもらえなかった食パンに挑むが、味覚と嗅覚が変わっていることに気づく。
みんな心配するが、理由は――ただの妊娠。
■ 甚の試練 ― 筍尽くし
女将(高岡早紀さん)から東京店花板に指名された甚(矢本悠馬さん)。
板長(岡田浩暉さん)からの卒業試験は、美食家・勅使河原君三郎への「筍尽くし」。
長岡京の白子筍を掘り、えぐみが出るため掘ってから3時間以内に出したい。
軟水で育った筍は軟水の名水で茹でたいと、善峯寺の名水を紹介してもらう。
そして迎えた本番。
掘った筍は山ですぐ茹で、刺身用の筍は鋭二が車を走らせ後から届ける。
「これぞ馳走」
板長からあつらえた包丁を渡され、合格。
勢いで女将に告白するが――
「遠距離恋愛NG、かんにん。」あっさり振られる。
「男になって京都に戻ってきよし」の言葉で、
「あれは行ける!」 とポジティブな甚に、かげでみていた板長や鋭二はあきれている。
甚はあわただしく東京へ。
■ 萩坂の跡継ぎ
女将が先代・巳代治(品川徹さん)と養子縁組をし、正式に跡継ぎとなり、夫・富実夫(波岡一喜さん)とは離婚することになった。
離婚届を書いてもらうため、富実夫に久しぶりに再会すると
赤ちゃんを抱いた女性が付き添ってきていた。
父・巳代治から預かった、夫の分の1000万の通帳を渡す。
自分の分の1000万を女性「あの人には絶対言うな」とこっそり渡す。
結局変わらなかった富実夫。
萩坂を引き継いだ覚悟がにじむ女将。
■ 釉子の覚悟 ― 用の美
初めて登窯に火を入れる釉子(吉岡里帆さん)。二日間寝ずの番になる。
“用の美”とは何かを問い続ける。
窯元先輩・甲田(田中幸太朗さん)の言葉。
「自分との違いはビジョンがあるかないかの違い、 釉子には作りたいものがはっきりある。師匠がほかの弟子より厳しく接したのは、イメージを具体的に実現する技術を身につけさせるためだった」
京焼とは、混ざり合いの文化。
ならば一度、外から京焼を見たい。
行き先は――リーチ工房のあるイギリス。
■ 幸太郎のプロポーズ
釉子が登窯の番をしている最中、幸太郎からの電話。
「一緒に行かへんか。」
「帰ってくるまで結婚せんと待っててほしい」
電話では何も返事がなかったので、振られたと思っていた幸太郎だが、
5人そろった花見のあとで、釉子の答えは、
「離れて待つより、そばにいる方が大事やと思う」
行き先はセント・アイブス。
幸太郎の修行先はウェスト・ヨークシャー。
650km、電車で9時間。
こんなに離れているとは考えておらず、涙する釉子。
幸太郎「出来るだけ会いに行くし」
◆ ロケ地紹介
🌸 醍醐寺
豊臣秀吉の「醍醐の花見」で知られる桜の名所。
🌸 蹴上インクライン
線路沿いに続く桜並木。
🌸 北野天満宮
鋭二と葉菜が挙式。
学問の神様の神社で、人生の新章が始まる。
🌸 善峯寺
名水「ご香水」と百本桜。
甚の筍料理の鍵を握る場所。
🌸 岡崎琵琶湖疏水
水辺に映る桜。
“流れ”を感じさせる京都の春。
◆ フランソア喫茶室
女将が富実夫と再会し、離婚届を記入する喫茶。
四条の老舗喫茶店。
◆ バーナード・リーチと「用の美」
Bar Forest Downでヒースロー先生が言い当てた花瓶。
バーナード・リーチ(Bernard Leach / 1887-1979)
彼は、日本の工芸界において伝説的な「東洋と西洋の架け橋」となったイギリス人陶芸家です。
1. 民藝(みんげい)運動の盟友
大正時代、思想家の柳宗悦(やなぎ むねよし)らと共に、名もなき職人が作る日常の道具に美を見出す「民藝運動」を推進しました。陶芸家の濱田庄司とは親友であり、共にイギリスのセント・アイブスに「リーチ工房」を開きました。
2. 釉子が追い求める「用の美」の体現者
釉子が何度も口にする「用の美」。 これは、「道具は使われてこそ美しい」という考え方です。リーチは日本の伝統的な技法と西洋の感性を融合させ、飾るための美術品ではなく、「日々の暮らしを豊かにする器」を焼き続けました。
3. なぜ最終回に登場したのか?
ヒースロー先生が見つけたリーチ工房の花瓶は、リーチの意志を継ぐお弟子さんが焼いたものでした。 「日本で生まれた『用の美』の精神が、遠くイギリスでも大切に受け継がれている」。 その事実が「本質を見るために外の世界(イギリス)へ出る」という決断に繋がったのです。
作品をもう一度味わいたい方へ
【京都人の密かな愉しみ】
【京都人の密かな愉しみ Blue 修業中】
阿部海太郎さん【Cahier de musique 音楽手帖】
音楽を担当されている阿部海太郎さんのアルバム。「京都人の密かな愉しみ」から「沢藤三八子」「京都、第一景」「京都、第二景」「京都、第三景」「エドワード・ヒースロー」「京都、第四景」そしてエンディングテーマ・武田カオリさんが歌う「京都慕情」が収録されています。
阿部海太郎さん 【ピアノ撰集-ピアノは静かに、水平線を見つめている- 】
阿部海太郎さんのピアノ楽譜集で「京都人の密かな愉しみ」から「エドワード・ヒースロー」と「ミヤコ・サワフジ(沢藤三八子)」が収録されています。
大原千鶴さん【大原千鶴のいつくしみ料理帖】
大原さんのお料理コーナー、松尾アナウンサーと楽しくお話しされながらささっと作られていて本当に大好きです。
◆ 「門出の桜」まとめ
桜は咲き、そして散る。
- 幸太郎はイギリスへ
- 釉子も海を越える
- 甚は東京へ
- 葉菜は母になる
- 鋭二は畑を守り続ける
京都に残る者も、出ていく者もそれぞれの道へ。
“門出の桜”とは、
別れではなく――再び咲くための春。
5人の青春群像劇はここで幕となりましたが、2026年プレミアムドラマ「京都人の密かな愉しみ Rouge −継承− 」にて、
その後の様子が描かれています。
5話から幸太郎が登場、7話からは釉子、鋭二が登場します。
全シリーズの詳しくはこちら➡ 『京都人の密かな愉しみ』とは ― 美しい映像と音楽、季節をめぐる祈りと暮らし。その全体像をじっくり解説 ―


