冬の京都、そして「春を祝う」物語
第2シリーズBlue修業中第2話「祝う春」は、節分から立春、そして雛祭りへと移ろう京都の季節を背景に、それぞれが“人生の分岐点”に立つ回です。
厳しい冬を越えて春を祝う行事の中で、一人前の職人を目指す5人の若者たちは、技術だけではない「心のありよう」を問われます。
シリーズについて詳しくはこちら➡『京都人の密かな愉しみ』とは ― 美しい映像と音楽、季節をめぐる祈りと暮らし。その全体像をじっくり解説 ―
第2シリーズのまとめはこちら➡ 『京都人の密かな愉しみ Blue 修業中』とは?全5話あらすじと登場人物シリーズ完全まとめ
◆ 詳細あらすじ
■ とある非公開寺院 ― 根切り
京都の冬。
幸太郎(林遣都さん)は寒肥(かんごえ)を丁寧に与え、木の手入れをしている。
そこへ棟梁(石橋蓮司さん)が現れ、荒々しく根を断ち切る。
「優しさだけが取り柄の男は、結局女に捨てられる」
この言葉は、幸太郎の生き方にも突き刺さる。
■ 節分 ― 鬼と厄払いの京都
料亭萩坂では、甚(矢本悠馬さん)が焼き方から煮方へ昇進。
節分鬼除けのイワシの焼き方を後輩に指南している。
節分には京都独特の風習「お化け」。
芸妓たちが奇抜な扮装で鬼を欺く。
お客さんも扮装する、と登場したのが女将(高岡早紀さん)の失踪中の夫・富実夫(波岡一喜さん)。芸妓姿でお座敷遊びをしている。
後日、萩坂へ現れ、療養中の父・巳代治(品川徹さん)のもとへ。通帳を持って立ち去る。
だが父はボケたふりをしていただけだった。
「あんたが萩坂継いだらええ」
甚に呼ばれて戻ってきたが間に合わなかった女将に、父は養子縁組で跡を継ぐよう打診する。
■ 立春 ― 酒蔵の朝
伏見では立春の朝、
「立春朝搾り純米吟醸」が出荷される。
一年の無病息災を願う縁起酒。
Bar Forest Downには幸太郎の先輩の小島(井之上チャルさん)が「立春朝搾り純米吟醸」と酒粕を持参していて、
葉菜(趣里さん)に師匠から課された、喜寿の祝いのパンのヒントとなる。
■ 大原 ― 雪の下大根
農閑期を終え、春支度が始まる大原。
氷室にしまわれた雪の下大根は甘みを増す。
鋭二(毎熊克哉さん)と祖母タエ(江波杏子さん)の距離は、まだよそよそしい。
■ 西陣のパン修行
玉井パンで修行中の葉菜(趣里さん)。梅干しジャムのパンを試作するが、けったいな失敗作となってしまった。
「けったいと天才は紙一重」
圧倒的に失敗の数が足りない、と師匠・玉井さん(甲本雅裕さん)に言われます。
喜寿祝いのパンに挑戦してみるか?と師匠。
立春朝搾り純米吟醸のヒントを得て作ってみた酒粕カンパーニュは、酒粕の量が多かったり、隠し味のバランスがまだつかめません。
絶対味覚を持つ甚のアドバイスは「立春朝搾りを一雫」。
■ 釉子と梅 ― 風情とは何か
羊山窯で草模様の絵皿を任されている釉子。釉子(相楽樹さん)がやりたいのはこの染付ではなく、上絵付。作家個人の作品性も出る、上絵付をやりたい。
先輩の甲田(田中幸太朗さん)に随心院のコンペに挑戦することを勧められます。
梅をテーマに選んだ釉子。
大覚寺の梅林の手入れをしている幸太郎が、師匠は「梅の清兵衛」と呼ばれているので見に来ては?と釉子を誘う。
清兵衛(石橋蓮司さん)は釉子、幸太郎に言う。
風情は、美意識のひとつ。
枯れるはかなさの中にもある。
咲き誇る梅も、ひっそり咲く梅も、美。
そして随心院のコンペ、奥書院に飾られた釉子の作品。
お互い目を合わせない親子だが、父・羊山は娘が立ち去った後、一人言う。
「いい風情や」
■ 山菜とり
鋭二は山へ。タエは深い山へ入ることを心配そうに送り出します。
板長・伊原(岡田浩暉さん)に頼まれて、幻の山菜ハリギリ(針桐)を探す。
無事ハリギリを見つけ、谷川でお弁当を食べていると、大学時代の山岳部の仲間・真司の記憶がフラッシュバックします。
命綱一本で繋がった状態の真司の姿。必死に綱を握る鋭二に「鋭二、離せ」
■ そして春へ
平野神社の魁の桜が咲けば、京都は春本番。
梅から桜へ。
断ち切り、受け入れ、芽吹く。
それぞれの「祝う春」。
◆ 登場ロケ地まとめ
① 節分
吉田神社 追儺式
「鬼やらい」と呼ばれ、厄鬼を追い払う神事。
八坂神社 節分祭
四花街の芸舞妓による舞踊奉納と豆撒きが行われ、福を呼び込みます。
四方参り
京都では節分に「四方参り」をする究極の厄除けがある。
- 北東:吉田神社
- 南東:八坂神社
- 南西:壬生寺
- 北西:北野天満宮
② 梅文化
京都人は桜より梅を愛すと言われる。
梅は「始まり」の花。
北野天満宮 梅花祭
毎年2月25日には梅花祭と野点大茶湯がおこなわれ、上七軒の舞妓がお茶をたてる

城南宮 しだれ梅と椿まつり
毎年2月下旬から3月上旬にかけて行われるしだれ梅と椿まつり。150本のしだれ梅を見ることが出来る。

大覚寺 梅林
大沢池北側の梅林では150本の梅を見ることが出来る。
③ 初午大根炊き
大原の三千院では、五穀豊穣を祈り「幸せを呼ぶ大根焚き」がふるまわれる。
④ 立春朝搾り
立春の朝に搾られた、一日限りの縁起酒。神主さんのお祓いを受けたしぼりたてのお酒。邪気を払い福を呼び込む。
登場したのは「月の桂」純米吟醸生原酒。
⑤ ひな祭り
流し雛
下鴨神社では桟俵(さんだわら)にのせた雛人形を御手洗川に流し、無病息災を祈ります。
老舗料亭の雛飾り
紹介された木屋町の老舗料亭は「ちもと」さん。由緒ある雛飾りを見ることが出来ます。
⑥ 十三参り
法輪寺で13歳になる子供たちが智恵や福徳を授かるため、お参りをする。
帰り道、渡月橋を渡りきるまで振り返ってはいけない。せっかく知恵を授かったのに失ってしまうためと言われ
家族は振り向かせようと声をかけて、子供の意思を試す。
⑦ 春本番
平野神社の魁の桜が咲くと、京都は春本番と言われている。魁桜は早咲きの桜。
⑧ 天才のパン職人
葉菜の師匠が修行仲間でけったいなパンを焼いていた天才として話して、
実際に登場されたのが、志津屋・小林健吾さん。
志津屋は京都を中心に21店舗を構え、京都駅などの駅構内や、八坂神社向かいの路面店などがあります。
「カルネ」が有名です。駅の売店でも買うことが出来ます。
作品をもう一度味わいたい方へ
【京都人の密かな愉しみ】
【京都人の密かな愉しみ Blue 修業中】
阿部海太郎さん【Cahier de musique 音楽手帖】
音楽を担当されている阿部海太郎さんのアルバム。「京都人の密かな愉しみ」から「沢藤三八子」「京都、第一景」「京都、第二景」「京都、第三景」「エドワード・ヒースロー」「京都、第四景」そしてエンディングテーマ・武田カオリさんが歌う「京都慕情」が収録されています。
阿部海太郎さん 【ピアノ撰集-ピアノは静かに、水平線を見つめている- 】
阿部海太郎さんのピアノ楽譜集で「京都人の密かな愉しみ」から「エドワード・ヒースロー」と「ミヤコ・サワフジ(沢藤三八子)」が収録されています。
大原千鶴さん【大原千鶴のいつくしみ料理帖】
大原さんのお料理コーナー、松尾アナウンサーと楽しくお話しされながらささっと作られていて本当に大好きです。
◆ 「祝う春」まとめ
第2話「祝う春」では、目に見える技術だけでなく、京都人が大切にする「目に見えない風情」がテーマでした。 失敗を繰り返し、過去の傷を抱え、それでも一歩ずつ春へ向かって進む5人の姿。彼らの成長は、厳寒の冬を越えて咲く梅や桜のように、力強く、そして美しいものです。




